ラグビーW杯南ア戦

 ワールドカップが始まってることは知っていたが、後述するような理由で敢えて無関心を装っていた。ネットニュースで早朝に大騒ぎになっていることを知った時、思わず目を疑った。もう自分が生きているうちに強豪に勝つなんて有り得ないと思っていた。


 自分がラグビーをやっていたのは松尾雄治がスターであった頃が最後であった。ロンドンに出張した時は、無理をして時間を作りラグビーのメッカ、試合のない日のトウィッケナム競技場を見るだけのために行ったのも懐かしい。伏見工業から同志社、神戸製鋼と活躍し日本代表監督となった平尾には大きな期待を抱いていたにもかかわらず、W杯では全く勝負にならず大人が子供をいたぶるような惨めな敗戦の連続に大きなショックを受けた。それから体格に大きなハンデがある日本が強豪と互角に戦える日はもう自分が生きているうちに実現することはないと諦めた。国立競技場で毎年11月早明戦を見て興奮していた自分が馬鹿に思えたのだ。日本のラグビーなんて本場では全く通用しないのに、それを見て一喜一憂している人達まで馬鹿に見えた。そうしてラグビーとは距離を置き、秩父宮にも国立競技場にも観戦に出かけることはなくなった。

 菅平での合宿の夜、スプリングボクスと世界選抜の試合を食堂で見せてもらった。シーツをスクリーン代わりに映画フィルムの上映会である。その時まで強豪と言えば5カ国対抗の諸国、オールブラックスのニュージーランド、オーストラリアくらいと思っていた。南アはアパルトヘイトのため経済的にも制裁を受けていたがスポーツ交流でも対外試合が認められていなかったようで、その結果日本でも南アの愛称「スプリングボクス」のことを知らない人が殆どだった。

 世界の強豪国から精鋭が集められて世界選抜チームが作られ、南アと名勝負を繰り広げたのは有名だったらしいが、自分は全く知らなかった。その試合が食堂の仮設スクリーン一杯に映し出されるのである。その凄い迫力に鳥肌が立った。自分達のラグビーとは全く違う世界がそこにはあった。重戦車が音を立ててすぐ目の前で走ったりぶつかり合ったりするのだ。これぞ男の世界!

 そんな経緯があったので日本代表が南アに勝ったなんて文字が目に飛び込んできてもすんなり頭に入ってこない。一体何が起こったのかと疑う気持ちの方が強かった。
 それからはネット上の関連記事を探し回った。どうも南アに勝ったのは本当らしい、それも最後の1プレイでトライを奪って逆転勝ちらしい・・・と理解できるまで時間はかからなかった。







ニュースサイトだけでは飽き足らず、YouTubeを探してみたらやはりアップされていた。ラグビー経験者やラグビーファンでこのニュースに接して泣かなかった人は多分皆無だろう。

もう一度これらを見てたっぷり泣いてもらいましょう。




以上は日本のTV局編集による映像であるが、諸外国のTV局などの制作による映像から、より客観的に振り返る参考にしたい。

まずはフランス語のアナウンサーのように思われる。


これは英語のアナウンスによるハイライト。日本編集では見られない南アの得点シーンも公平に出てくる。




0 件のコメント :

コメントを投稿

人気ブログランキング

にほんブログ村